のびのびと個性豊かに育つ在来種で作る、長野園の和紅茶

2020.10.14

Farm to cup

Interviewee Profile

花水 理夫 

Interviewee Profile

花水 理夫 

長野園 茶師

さしま茶の産地、茨城県・猿島郡境町で70年以上茶畑を営む長野園さん。葉の成長具合、葉の大きさがひとつひとつ異なる『在来種』という品種で渋みが柔らかく、口当たりも優しい和紅茶を作られていらっしゃいます。また、品種ごとの特徴を引き出したクラフトティーにも取り組まれています。

こんにちは、HiO ICE CREAMの西尾です。 今日は、10月の季節のフレーバーの「和紅茶ミルク アールグレイ」で和紅茶を分けてくださった長野園さんをご紹介します。

長野園さんは、茨城県・猿島郡境町で1945年の終戦後に緑茶の製造をスタート。境町や古河、坂東、常総、八千代がある猿島台地は、利根川と鬼怒川に挟まれ水資源に富んでいることから、古くから「さしま茶」の産地として知られています。

まだまだ聞きなれない、国産の紅茶「和紅茶」について、長野園の茶師、花水 理夫さんにビデオ通話でお話を伺いました。

※※写真上部:花水さん、写真下部:西尾

国産の茶葉で作る、和紅茶とは?

ー 茶畑を営んでいる方でも、まだまだ紅茶に取り組む方は少なく、なかなか見かけません。和紅茶ってどんなものなのでしょうか?

花水さん 「緑茶もウーロン茶も紅茶も、同じ茶葉から作ります。緑茶は無発酵で、ウーロン茶は半発酵、そして紅茶は発酵させたもの。ですが実はウーロン茶と紅茶の発酵具合の垣根は曖昧で、ウーロン茶の製造工程を経たものがウーロン茶。紅茶の製造工程を経たものが紅茶と呼ばれています。

元々「さしま」の土地は江戸時代に栄えた茶所で、江戸川と利根川の水運で江戸への「地の利」があり、藩が奨励し緑茶を製造し江戸と東北に出荷していました。

長野園では、創業当時から緑茶作りに使っていた在来種や、やぶきた種を使ってさしま茶の産地らしい紅茶を作っています。」

長野園の和紅茶のおいしさの秘密

ー 長野園さんの『のびのび和紅茶 アールグレイ』をアイスクリームに使わせていただいてます。実際に淹れて飲んでみましたが柔らかい渋みと、優しい香りで普段飲みなれている紅茶と全く異なりました。

花水さん 「ありがとうございます!紅茶は機械だけでは判断できない色・香り・触感など味が大きく変わってしまうので、手で触り、目で見て味を判断して作っています。

例えば春摘みの茶葉は和紅茶にする際、深く発酵させてもおいしくならず、発酵を浅いところで止めると香りが立つとてもおいしい紅茶ができあがります。

ウーロン茶と紅茶の発酵具合の垣根が曖昧だと伝えましたが、発酵を止めているのでウーロン茶のような味わいですが、紅茶の製造工程を通っているので紅茶なのです。」

ー 五感で味を判断されていくのですね、職人技です。渋みが柔らかく、口当たりも優しいと感じました。

花水さん 「渋みの柔らかさは品種の違いと作り方を工夫しています。

ヨーロッパ圏で飲まれている紅茶は、渋みが強く発酵しやすい品種『アッサム種』のものが多いのですが、長野園では発酵はしにくいけれど、渋みが柔らかい『中国種』で作っています。

『中国種』でも、製茶するときにゴリゴリと裁断する作り方をすると苦みも渋みも出すことができますし、逆に優しく丁寧に揉むことで渋みは出さず、香りを立たせることができます。

繊細な作業ですがこの工程に気を使い、香りが良く柔らかい口当たりを実現させました。」

ー 今回はベルガモットの香りを付けたアールグレイを分けていただいています。ベルガモットの香りも紅茶本来の香りも感じられ、とても驚きました。

花水さん 「そうですね、市販されているアールグレイは、文化的な背景とヨーロッパの水質に合わせて作られているので、ベルガモットの香りが強い物が多いです。

僕がアールグレイを作るときに考えたのは、料理の最後に飲むと、飲んだ後にさっとその香りが引き、料理を引き立てるようなアールグレイでした。何度もレシピを調整して今のアールグレイが出来上がりました。

長野園の紅茶はお客様から『よりそう紅茶』と言っていただきます。紅茶などのお茶を飲むシーンは、食事や友人や家族と過ごす時間に飲むものだったりと、 生活に近いところにあります。長野園の紅茶は、それぞれの生活シーンによりそう、それぞれの食にあうように作っています。」

株ごとに1つ1つ異なる『在来種』

ー まだまだ和紅茶を作る農家さんは少ないかと思います。長野園さんが和紅茶作りに取り組んだきっかけはなんだったのでしょうか?

花水さん 「和紅茶は僕が継いでからはじめました。実は長野園は妻の実家で、跡継ぎがいなく廃業を考えていました。僕は当時サラリーマンだったのですが、歴史のある茶畑を廃業するのは勿体ないという想いから12年ほど前に継ぎました。」

※写真:旧店舗は長野園さんの歴史を感じるご自宅の玄関脇で営業されていました。
(*現在は、茨城県境町のモンテネグロ会館に移転され 茶cafe&shop chabacoで長野園さんの淹れたての紅茶が楽しめます。)

花水さん 「最初に作った『のびのび和紅茶』は、二番茶に摘んだ『在来種』と『実生やぶきた(種から植えた品種)』を併せて作っている紅茶です。

実生ということは、種から植えた品種なので純粋交配ができず、ひとつひとつの株の成長スピードや葉の形も異なり、元気良く伸びて飛び出た 新芽のやわらかい部分だけを収穫しています。」

※写真:在来種の茶畑。葉の成長具合、色味、大きさがひとつひとつ異なります。

花水さん 「特に在来種は創業時に植えた70年も歴史がある茶畑ですが、葉の大きさもバラバラなので、見た目が重視される緑茶だと安価で売る畑になってしまいます。昭和30年代に『やぶきた種』の人気が出て当時多くの在来種をやぶきた種に植え替えてしまい当時の生き残りです。

僕自身、廃業の危機にあった茶畑を継いだノスタルジックな想いがあり、古くから続く在来種の畑を残したいと思っていました。

在来種は品種のバラつきの中で発酵がしやすいものがあると聞き、紅茶を作り始めました。ばらばらと葉が伸びる様子から『のびのび和紅茶』と名づけました。」

ー 和紅茶作りのきっかけは、在来種だったのですね。『SASHIMA CRAFT TEA』もお持ちですが、こちらはどのような紅茶なのでしょうか?

花水さん 「SASHIMA CRAFT TEAは、極限まで土地のテノワールと品種の良さを引き出した紅茶です。のびのび和紅茶で使っている在来種だけで作った『Z1』や実生やぶきた『M1』などもあり、それぞれの品種の特徴を楽しんでいただけます。

緑茶は毎年安定して同じ味を楽しみたいお客様が多いのですが、紅茶は製造年度や品種の違いを楽しむ方も多いのです。だから今後はワインのように2~5年寝かしたヴィンテージ紅茶もでやってみたいなと思っています。」

HiO ICE CREAMでは、長野園さんの『のびのび和紅茶 アールグレイ』でアイスクリームを作りました。アイスクリームになっても、長野園さんの和紅茶の特徴である、柔らかい渋みと優しい口当たり、そして細かくブレンダーにかけた茶葉を少しだけ入れたことで、心がほっとするような香りを感じていただけます。

『和紅茶ミルク アールグレイ』のアイスクリームは、定期宅配『Pint Club』10月のお届けの他、自由が丘の店頭やSEASONAL BOXでお召し上がりいただけます。ぜひ、秋のご褒美デザートとしてお召し上がりください。

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