自由が丘の工房で手づくり。アイスクリームのためだけに作る「焦がしキャラメル」

2019.07.23

Farm to cup

Interviewee Profile

パティシエ 金子 真悟

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パティシエ 金子 真悟

HiO ICE CREAM

HiO ICE CREAM Atelier 自由が丘のパティシエ。スクープショップやONLINEで提供しているアイスクリームを工房で製造するほか、新商品の開発も行っています。好きなアイスクリームのフレーバーは『美瑛シングルオリジンミルク』。

こんにちは、HiO ICE CREAM 編集チームの田谷です。
長く蒸し暑い梅雨がやっとあけ、いよいよアイスクリームの季節がやってきました!

Pint Club 8月のフレーバーは、『塩キャラメル』。わたしたちのアイスクリームのベース、美瑛町の牛乳の軽やかさを残しながら、焦がしキャラメルをあわせた上品でオトナなアイスクリームです。一口食べるとふわっとした食感に、甘すぎず、どこか上品な苦みを感じるのは、このアイスクリームのために自由が丘にある工房、アトリエで一回一回キャラメルを手作りしているからです。

今回は「キャラメル作り」と一緒に、わたしたちのアイスクリームの作り方をご紹介します。

アイスクリームを創り出す工房、アトリエ

自由が丘駅から九品仏駅の方向へ5分ほど歩いた場所にあるアトリエ。ここでは、商品開発はもちろんのこと、スクープショップで販売するアイスクリームやワッフルコーン、オンライン用アイスクリームのカップ詰め、そしてオンライン注文の発送もすべてこの工房で行っています。まさにアイスクリームを一から作り出し、そしてみなさんの元へ送り出しています。

アトリエで働くメンバーは総勢7名。パティシエとして経験を重ねてきたメンバーも多く、自ら製造も販売も行います。今回は、塩キャラメルのアイスクリーム作りを先頭に立って引っ張っていく、HiO ICE CREAM パティシエの金子さんに作り方を教えてもらいます。

金子さんは、製菓学校を卒業後有名ホテルでパティシエとして経験を積み、現在はHiO ICE CREAM のパティシエとして日々アトリエでアイスクリームの商品開発や製造を行っています。

スモールバッチだからこそできる『塩キャラメル』作り

早速、塩キャラメルのアイスクリーム作りを教えてもらいましょう。まずはフレーバーの素となる「塩キャラメル」を作ります。

金子:「グラニュー糖を鍋で温めていきます。グラニュー糖だけで温めることもできるのですが、色が均一につかないので、今回は少しだけ水を入れ均等に熱を入れていきます。色がつくまではシロップ作りと同じなので、ゆする程度にして手を入れないことがシロップ作りのポイントです。」

最初は綺麗な透明の状態ですが、鍋をゆすりながらコトコトと煮詰めていきます。煮詰めること5分ほどで、色味も光に透かすと琥珀のように綺麗な褐色に。甘いキャラメルの香りもしてきました。

金子:「だいぶ色がついてきました。これくらいの色味まで煮詰めたものに生クリームやバターを入れて冷ますと「生キャラメル」になります。他にも一般的なお菓子の材料として使うときは、トッピングや他の材料と混ぜたり手を加えていくので、これくらいの鮮やかな褐色になったら完成です。

でも僕たちはアイスクリームのベースに混ぜていくので、しっかりとキャラメルの甘さと香ばしさ、そして色が出るようにまだまだ煮詰めていきます!」

さらに煮詰めること5分ほど。香ばしいキャラメルの匂いが漂い、色もしっかりとした濃い褐色に。ここで少し温めておいた生クリームと藻塩を混ぜ、さらに煮詰めていきます。生クリームを入れるとぶくぶくと沸騰したような状態になりますが、少しずつ丁寧に混ぜていきます。

生クリームとキャラメルがしっかりと混ざり、濃い色になったら完成です。艶っと綺麗な褐色になりました。このまま食べてもおいしそうなので味見をしてみると、苦味が強く、しょっぱいキャラメルです。とても食べられたものではありません!これで本当においしいアイスクリームになるのでしょうか?

金子:「 しっかり塩を入れて焦げるギリギリまで煮詰めてるのでとても苦く、とてもじゃないですこのまま食べられません。でも不思議なもので、美瑛町の牛乳で作ったアイスクリームベースに混ぜると、旨味のある塩気が軽やかな美瑛町の牛乳の味とキャラメルの苦味を引き締めてくれるんです。

もちろん普通はこんなに煮詰めませんし、塩を入れて作りません。いくつものお菓子の材料として使うので、ベースのキャラメルとして作っておきます。僕たちはアイスクリームのためだけにキャラメルを作るので、美瑛のアイスクリームベースに合うレシピで作ります。これもスモールバッチ(小ロットで少しずつ製造すること)だからこそできることですね。」

少し手間がかかりますが、アイスクリームベースと混ぜたときの相性を考えて作られた特別な塩キャラメル。おいしさを追求するクラフトアイスクリームだからこそできる作り方です。」

いよいよ塩キャラメルをアイスクリームに。

塩キャラメルができたら、いよいよアイスクリームの製造に取り掛かります。美瑛町の牛乳と生クリームを専用の機械で作ったアイスクリームベースに、先ほど作った塩キャラメルを入れ、美瑛町の牛乳を足し、ブレンダーでしっかりと混ぜます。すでに美瑛町の牛乳が入っているアイスクリームベースですが、フレーバーごとに美瑛町の牛乳の量を変え、どのフレーバーでも軽やかな舌触りを作っています。

ブレンダーでしっかりと混ぜたら、専用のアイスクリームマシーンに入れ冷やしていきます。ふわっと口の中で溶けていくような軽い食感は、このマシーンで空気を含ませるように攪拌し、急速に冷凍させていくことで作り出されます。オーバーラン(空気を含ませる量)も、わたしたちのアイスクリームベースに合わせて少しずつ調整しています。

マシーンに入れること約10分でアイスクリームができあがりました。先ほどの濃い褐色の塩キャラメルと比べると、アイスクリームベースと混ざり優しいクリーム色で、できたてはとても柔らかそうです。

できあがったものは、1つずつカップ詰めし、ショックフリーザーと呼ばれるマイナス40度まで急速冷凍ができる機械でしっかり冷やした後、丸一日マイナス25℃の冷凍庫で冷やします。ONLINEでご注文いただくと、ひとつひとつ梱包し、皆さんのもとへ送り出します。

『塩キャラメル』の味は…?

さっそく出来上がった『塩キャラメル』を味見すると、苦くてしょっぱかったキャラメルを思い出せないほどまろやかで上品な甘みに。思ったよりも、キャラメルの甘みが強くなく、先ほどの苦みがアクセントに感じます。キャラメルの甘さは、藻塩のまろやかな塩分で引き締められているそう。上品でオトナな『塩キャラメル』です。

金子:「『塩キャラメル』は、焦がし気味に作ったキャラメルだけでなく、まろやかで旨味のある藻塩を使うことで、美瑛町の牛乳のアイスクリームベースと合わせた時にキャラメルの良さを引き出しています。

アイスクリームの材料は、牛乳とお砂糖ととてもシンプルです。だからこそあわせる材料の良さを引き出すことができます。『塩キャラメル』は、アイスクリームのために僕たちが材料を手作りしていますが、フルーツや煎茶では材料を分けていただく生産者の方がこだわって作られた味を引き出すことが可能になります。

出来上がったアイスクリームにお礼の手紙を添えて生産者の方にお送りすると、次の材料を送ってくださるときに感想を添えていただけます。「クラフト」だからこそ、生産者の方の想いをアイスクリームにのせることができて面白いですし、喜んでいただけて嬉しいです。」

甘くて少しほろ苦い、オトナな焦がしキャラメルのアイスクリーム『塩キャラメル』。Pint Club 8月のフレーバーとして、イロドリ・&ミルクどちらのコースでもお届けします。

アトリエのパティシエがアイスクリームのためだけに手作りした焦がしキャラメルをぜひお試しください。

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