こんにちわ。HiO ICE CREAM代表の西尾です。
7月に入りジメジメと暑い日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
今回は6月~期間限定でスタートした『深蒸し金谷茶』アイスクリーム、そして使わせて頂いている茶葉を栽培される静岡県島田市金谷で江戸時代から約300年続く煎茶農園の佐京園さんについてご紹介させて頂きます。
故郷静岡の名産、煎茶とは
今回お茶のアイスクリームを作るにあたって、僕自身の故郷である静岡名産の煎茶を使いたいと思っていました。子どもの頃からお茶畑は身近で、煎茶も幼いころから慣れ親しんできました。同じお茶でも抹茶のアイスクリームは世の中に沢山ありますが、意外と煎茶のアイスクリームは少なく、さわやかであっさりした煎茶は僕たちのミルクベースにもとても合います。
煎茶は、緑茶の種類のひとつ。緑茶の中でもっとも飲まれている代表的なお茶で、茶園で栽培した生葉を加工することによって製品となります。生葉は、摘採した時点から酸化酵素の働きによって変化(発酵)が始まりますが、緑茶は新鮮な状態で熱処理(蒸す・炒る)することで酸化酵素の働きを止めた「不発酵茶」です。この「生葉を熱処理し、葉の形状を整え、水分をある程度まで下げて保存に耐えられる状態」にすることを荒茶製造といいますが、蒸して揉んで荒茶を製造するもっとも一般的な製法でつくられたお茶を「煎茶」と呼びます。
対して抹茶は、碾茶(てんちゃ)という種類の茶葉を、よしず棚などを使い茶畑を覆って強い日差しが当たらないようにして育て、蒸して乾燥させ、石臼などで挽いて粉末状にしたもので、同じお茶でも種類も製法も全く異なります。
僕自身小さいころから毎日飲んでいたあっさりとした味わいの煎茶。
抹茶とは異なる独特な風味の煎茶を出せないかと思い、試行錯誤をする中で深蒸し煎茶を作られる佐京園さんと出会い、さらに開発を重ねようやく完成したアイスクリームです。
創業300年の佐京園さん
佐京園さんは、東京から車で約3時間。のどかなお茶畑の中をSLが走る街、静岡県島田市・金谷にあります。
現在は、13代目にあたる裕一郎さんと、裕一郎さんのお父様(12代目)・お母様の3人で栽培されています。江戸時代より300年に渡り自家農園で育成・収穫・製造全てを行っていらっしゃり、春先に収穫する一番茶のみをHiO ICE CREAMにも分けて頂いています。
佐京園さんは小規模だからこそ農園のすみまで目を行き届かせていらっしゃっており、摘んだ日の温度や湿度、そして7か所あるお茶畑ごとに、実際の茶葉を目や手で確認しながら火加減を変えます。茶葉に最適な蒸し加減をコントロールすることで、甘い香りのお茶に仕上げられています。
実際に加工場も見学させてもらいました。摘んだ茶葉は、蒸し、形を整え、精揉機(せいじゅうき)と言われる機械で手揉みの変わりとなる「揉む」作業を行っていきます。この工程で茶葉の形を整えます。「蒸し」と「揉む」工程は、お茶農家ごとに個性がでるそうで、持ち寄った茶葉をみただけで誰が作ったものか分かるそうです。
お伺いした日は5月中旬で、すでに加工は終わっていましたが精揉機を動かしていただきました。この機械が複数並んでおり、動き出すと圧巻です。
裕一郎さんにお茶づくりの大変さについてお伺いすると、『自分たちは一番茶だけに焦点をあてて、先祖代々にわたって手作業にこだわって丁寧にお茶づくりをしてきました。手間はかかるし、一気に規模を広げられるやり方でもないので沢山は作れないのですが、少しずつでも多くの方に深蒸し緑茶の魅力を伝えていけたら嬉しいです』とおっしゃっていました。