アイスクリームの定期宅配「Pint Club」では、毎月厳選した素材で丁寧に作った2種類のフレーバーをお届けしています。
1年間で24種類のフレーバー。24通りのおいしさの物語を写真に込めてお届けしています。
それぞれのフレーバーの個性や物語性を伝える写真は、株式会社ミルコトの前田アキラさんに撮影いただいています。
前田さんにお話を伺いました。
前田さんは、近年、料理や食べ物関係の写真や映像の撮影、編集を多く手がけられています。
玉木「どのようなきっかけで写真に興味をもたれたのですか?」
前田さん「大学を卒業するにあたって、改めて今後何をしていこうかと考えていた頃に、「地雷を踏んだらサヨウナラ ※1」という映画を見て、報道カメラマンに興味をもったのがはじまりです。」
※1 内戦の激化するカンボジアを舞台とした、実在のフリージャーナリスト・一ノ瀬泰造が残した書簡などをまとめた書籍を原作とした日本映画。五十嵐匠監督作品。
大学卒業後、当時お住まいだった大阪にて写真撮影を行う会社で働きながら、写真について学ばれました。その後、人生の契機となるタイミングで2度インドへ撮影の旅に出られています。
前田さん「藤原新也さんの『印度放浪』という本を読み、その本は写真と印象的な一文が添えられているのですが、例えば、「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ。」という文章があり、こんな世界もあるんだ、自分の目で見てみようと思い、24歳くらいのころに1ヶ月ほどインドに行きました。
2度目のインドは、それから4年後、知り合いもつても何もない状態で、東京に上京してきた時です。仕事もまだ全然なかったため、何かしなければと思い、アルバイトでお金をため、撮影の旅に出ました。」
※2度目のインドの旅で撮影された写真。5月の暑いインド、バラナシ近郊で撮影された写真です。
インドから戻られてからは、ポートレートを中心に撮影されるカメラマンのアシスタントやイーコマースのファッション撮影、ブライダル、フード撮影など色々な現場で経験を積まれ、人との繋がりを広げてゆかれました。
被写体と対話から生み出される、前田さんの写真
玉木「近年のお仕事は、料理や食べ物関係が多いんですね。」
前田さん「方向性をどうしようか考え始めた時に、軸をつくったほうがわかりやすいのではないかと考えはじめて、自分で撮っていて楽しいものをやろうと思いました。それからフードを軸として活動しています。」
玉木「フードが楽しいという感じになったんですね。」
前田さん「フードが一番気持ちがわかるんです。こう撮ってほしいのねと食べ物と対話する感じです。アングルを決める時も、いいとこ見つけてあげるから、いいね!そこそこ。と結構ぶつぶつ言っているので、マスクがあってよかったなと(笑)フードが一番被写体と通じあえる感じがしますね。」
パティシエとのノンバーバルコミュニケーション
アイスクリーム撮影の際は、オフィスの窓辺の一角に撮影機材を組み、フォトグラファーの前田さんとアイスクリームや果物のスタイリングを行うパティシエ、ディレクションを行うスタッフが一丸となって撮影を進めていきます。
撮影リストに従って、撮影するアイスクリームの個性と物語を写真という表現に落とし込んでいきます。
※アイスクリームを調整するパティシエの木下
玉木「撮影する際に気をつけていることはありますか?」
前田さん「アイスクリームなのでスピードを重視し、早く撮るということを意識しています。編集でできることは、後にまわして、アイスクリームがベストの状態で撮影してしていきます。
パティシエの木下さんが優秀な方なので撮影がとてもしやすいです。撮影する目線で仕上げてくれるので、こう撮ればいいんやなというのがわかりやすく、迷わないですね。なのでライトに集中することができます。きっと木下さんには自分の中にこう見せたいというのがあるんだと思います。」
撮影の現場で前田さんとパティシエの木下が、どのような角度で写真を撮るか、どう見せたいか、など口頭で話しているのを聞いたことがなかったので、木下がスタイリングに込めた思いが、言葉にしなくとも前田さんに届き、前田さんはそれを受け取り撮影されていたと知って驚き、感動しました。
撮影は、エンターテインメント!
玉木「いつも、撮影の現場が楽しく、チーム一丸となって取り組んでいけるような、素敵なコミュニケーションをとってくださるのが印象的です。」
前田さん「楽しい時間を過ごしたいなと思っています。そういう空間になるように。撮影ってエンタメだと思っていて、僕らはいつも撮影しているので日常的なことなんですけど、カメラマンに頼んで撮影するというのは非日常的なことだと思っているので、この時間を楽しんでいただきたい、いい時間にしたいというのは意識しています。」
朝から夕方まで丸一日を要する撮影日ですが、前田さんの作り出す現場の空気はとても心地よく、それが写真に反映されていると感じます。フォトグラファーとして撮影を行うだけでなく、前田さんも仰っていましたが「文化祭のような」チーム一丸となって集中して楽しく撮影を行える環境を作ってくださっています。
これからも前田さんに撮影いただいたフレーバーの個性や物語性を伝える写真で、季節のアイスクリームをご紹介してまいりますので、ぜひご注目いただけたら嬉しいです。