こんにちは、HiO ICE CREAMです。
12月のPint Clubでは、HiO ICE CREAM創業時から毎年りんごを使用させていただいているRED APPLE 赤石農園さんの葉とらずふじを使用した「焼きりんごキャラメル」をお届けしています。
これまでRED APPLE 赤石農園さんのりんごを使用したアイスクリームは、「林檎ミルク」、「青りんごシャーベット」、「焼き林檎ミルク」、「赤りんごミルク」、そして今回の「焼きりんごキャラメル」で5種類目!りんごの旬に合わせて様々な品種のりんごを分けていただいています。
今回は、3年ぶりにRED APPLE 赤石農園の赤石さんにお話を伺うことができましたので、ご紹介させてください。
前回のインタビューはこちら↓
RED APPLE 赤石農園さんは、青森県弘前市にて大正時代から続く歴史ある農家さんです。青森県にりんごの木が入ってきた明治初期よりりんご栽培をスタートされ、現在は15ヘクタール(東京ドーム3個分強)の広さの畑で約30品種(!)のりんごを栽培されています。
岩木山を望む美しいりんご畑
りんご畑は青森県の最高峰の標高を持つ火山、岩木山(いわきさん)からミネラル分を含んだ雪解け水が流れる地域にあります。水はけのよい火山灰土壌は、りんご栽培に適した土地だそう。
また、赤石さんは安心・安全でおいしいりんごを育てたいという一心から、できる限り化学肥料や農薬を使わずに農園を管理されています。
※写真は、牡蠣殼石灰
牡蠣殻を粉末状にしたものや、アミノ酸系の魚かすなどの有機物肥料を使用し、土中の微生物が住みやすい土作りに取り組まれています。
また近年では、さらに一歩進んで、より農薬の使用量が少ない特別農産物認証の取得に向けチャレンジを続けられています。
「寒さにあたる」ことで、よりおいしいりんごに
弘前のりんごがおいしい理由は、冷涼な気候、降水量の少なさ、昼夜の寒暖差などの気候・風土によるそうです。
山に近い山手側のりんご畑は、より寒暖差があるので実のしまったりんごになりやすいと教えていただきました。
赤石さん「こちらでは寒さにあたると言うんですけど、収穫の前にりんごに霜があたり、少しだけ表面が凍ると、なぜなのかわからないのですが、りんごの味がよくなるんです。
1、2回寒さにあたったふじはすごくいいものができるので、できるだけ樹上で完熟したものを1月いっぱいで販売できるように仕立てたいと考えています。」
RED APPLE 赤石農園さんでは、樹に実らせた状態でりんごを完熟させる樹上感完熟を行い、一番りんごがおいしくなった状態で収穫を行われています。
※栄養をしっかり蓄えた、葉とらずふじ
栄養たっぷりで抜群においしい葉とらずふじ
葉とらずとは、太陽の光を受け養分を作るりんごの葉を取り除かないりんごの栽培方法です。
葉を残すことによりりんごに色むらができるため、あまりスーパーなどには出回りませんが、味と栄養がたっぷりで抜群においしく育つそう!
赤石さん「りんごの真上についている葉っぱのことを果そう葉というのですが、ここがりんごの味を決める一番キモの葉っぱなんです。
11月くらいになると葉っぱが黄色くなって自然に落ちてくるんです、そうなって葉っぱの役目が全部しっかりと終わります。
葉っぱを守っている作業をしているというのが近いのかな。いっぱい光合成をしてもらってぎりぎりまでりんごに栄養を蓄えれるようにする栽培方法です。
色むらとか色がちょっと薄いとかがあるんですけど、食べた時の酸味と甘みのバランスがすごくいいものに仕上がるんですよね。」
すべての作業は葉っぱを大事にし、できるだけ最後まで元気な強い葉っぱでお役御免まで活動できるよう、葉っぱを守る補助作業をしている。というお言葉が強く印象に残りました。
葉とらず栽培では、木の勢い、樹勢(じゅせい)の管理がとても大切な作業となるそうです。
1月から始まる冬の剪定作業によって、りんごの木を適正な樹勢に管理していきます。
適切な時期にしっかりと葉っぱの役目を終われるように調整し、そして葉っぱをとらずにある程度りんごを色づかせるためにも、とても難しく、そしてすごく大切な作業になると教えていただきました。
※冬の剪定作業
雪深い青森県弘前市、冬のりんご畑にはおよそ1m50cmほどの雪が積もるそうです。
そのため、剪定作業も雪の上に立ち、長い棒に1mなどの目安の印をつけたものを持って、雪にぐさっとさして、自分の立ち位置を想像しながら、一本一本の木に剪定を行います。
想像力を発揮するのは雪の中のりんごの木の様子だけでなく、その年、3年後、5年後など未来の木の形を思い描きながら、りんごが育つ前にりんごの未来像を頭の中でイメージしながら、枝を見極め、調整作業を行なっていらっしゃるとのことでした。
冬の剪定作業は、未来に続くとても大切な作業で、そしてとても難しいと教えていただきました。
※収穫の様子
収穫の見極めは、糖度を測り、実際に食べてみることで判断されています。
赤石さん「糖度は高いけど、ちょっと食味がよくないという場合があるので、畑の北側の枝と南側の枝のりんごを11月初旬に日毎に取ってきて貰い、糖度を測り、実際に食べてみて、この日からもごうというのを調整して決めています。」
太陽の当たりにくい北側の枝を基準に収穫のタイミングを判断されているとのことでした。
収穫は、脚立に登り、青い収穫かごを使って、ひとつひとつ手もぎで収穫をされており、なんと1日に8トン、シーズンでは140〜150トンのふじが収穫されるとのことでした!
※2019年に伺った際の高密植栽培のりんご畑
赤石さんが目指す新たな農業のカタチ
2019年にRED APPLE 赤石農園さんに伺った際に見せていただいた、高密植栽培の新たなりんご畑の取り組み。
高密植栽培とは、イタリアやオランダなど海外ではスタンダードな栽培方法で、日本では通常りんごの木同士の干渉を防ぐために3〜5m間隔で育てるそうなのですが、高密植栽培では、約80cmの間隔で育てる栽培方法だそう。
※2022年の高密植栽培のりんご畑
通常の慣行栽培では、成木となりりんご畑となるのにおおよそ15年と長い年月がかかるそうですが、高密植栽培ではより早く成園化することがでるため、早くりんごが収穫でき、品質もよく、管理もしやすいそう。
りんごの品質が上がる理由について伺うと。
赤石さん「りんごの木が壁面のように、横にひろがって広がっていくように木を仕立てていくため、日の入り方が均一になります。
どうしても大きい木だと南側の枝と北側の枝で日の入り方がかわったりなど、品質にばらつきがでやすいのですが、高密植栽培の場合、まんべんなく太陽があたり、光合成ができるので品質が安定しやすいです。
今後収穫の機会や草刈りロボット、データ収集による収穫量予測や害虫の予測などスマート農業を取り入れるためにここ10年くらいで、畑を海外の栽培方法に切り替える準備をしている最中です。」
2019年にもお話を伺った、輸出に特化した、できるだけ価格をさげながら、しかし品質を高めたりんごを作れないかという、弘前が誇るりんごのグローバル展開というチャレンジ、3年たった今、一歩づつ実現し、進化を遂げられていました!
安心・安全でおいしいりんごを栽培することにとどまらず、青森のりんご産業、そしてりんごに関わる人の未来を見据える赤石さんのビジョンにとても感銘を受けました。
RED APPLE 赤石農園さんが大切に育てた、葉とらずふじを使用させていただき、焼きりんごキャラメルを作りました。
細かくカットした葉とらずふじをオーブンで焼きぎゅっと甘みを凝縮します。りんごをより感じていただけるようにキャラメルの濃さを調整したアイスにグリルしたりんごを混ぜ合わせました。
甘くて少しほろ苦い焦がしキャラメルと栄養たっぷり葉とらずふじの焼きりんごのマリアージュをお楽しみください。
「焼きりんごキャラメル」は、定期宅配Pint Club 12月号でお届けいたします。また、Atelier 自由が丘のスクープショップでもお楽しみいただけますので、ぜひご賞味ください!
2022年12月 Pint Club イロドリでお届けしています!
定期宅配サービス Pint Club(パイントクラブ)
3,240円 [送料込]
毎月パイントカップ(473ml)を2つお届け。季節のフレーバーをお楽しみいただけます。
Pint Clubについて詳しくみる