とうもろこしの魅力をぎゅっと詰め込んだ「とうもろこしミルク」おいしさの秘密

2021.08.23

開発ストーリー / Farm to cup

Interviewee Profile

田口志緒里

Interviewee Profile

田口志緒里

HiO ICE CREAM パティシエ

HiO ICE CREAM Atelier 自由が丘のパティシエ。スクープショップやONLINEで提供しているアイスクリームの製造を工房で行なっている。好きなアイスクリームのフレーバーは『プラムと塩キャラメル』。

こんにちは、HiO ICE CREAM 編集チームの玉木です。
暦の上では秋が近づいてきましたが、まだまだ暑い日々が続きます。皆さまいかがお過ごしでしょうか?

9月の定期宅配 Pint Clubでは、「とうもろこしミルク」フレーバーをお届けいたします。 お野菜のアイスクリーム召し上がったことはありますか?私はあまり馴染みがありませんでした。そこで、どのように作っているのか、そしておいしさの秘密を探るため自由が丘の工房へ取材してきました。取材を終える頃には推しフレーバーとなっていた「とうもろこしミルク」。HiO ICE CREAM Atelier 自由が丘のパティシエ 田口さんにそのおいしさの秘密を伺ってきましたので、本日は「とうもろこしミルク」アイスクリームの魅力についてご紹介させてください。

工夫がいっぱい!とうもろこしミルクの作り方

早速「とうもろこしミルク」の作り方を教えてもらいます。まずは、きれいに洗浄した皮つきとうもろこしの皮をむき、スチームコンベクションオーブンで蒸していきます。

玉木 「とうもろこしの薄い皮を1枚残していますね。薄皮を残すのはなぜですか?」

田口さん「とうもろこしの旨味が外に逃げないよう、とうもろこしの皮で包み込んで蓋をしスチームにかけて蒸しています。また、実がしわしわになりにくい効果もあります。」

きちんと整列するように並べられたとうもろこし。少し間を開けているのは、火通りをよくするためだそうです。とうもろこしの上下がきちんと揃えて並べているのも火通りを均一にするため、小さな気配りが積み重なって美味しいアイスクリームに繋がるのだなと感じました。

とうもろこしが蒸しあがりました。オーブンの扉を開けるととうもろこしの甘い香りが広がります。なめらかなアイスクリームにするため、ほんの少し柔らかめに茹で上げるそう。ぱんぱんの水風船のように押してしっかり戻ってくるくらいの柔らかさと教えてもらいました。

次の工程は、蒸しあがったとうもろこしの薄皮をむき、実を削いでいきます。二人体制でとても素早くとうもろこしの皮が剥かれていきます。早いだけでなく、とても丁寧に皮が剥かれていきます。

玉木「薄皮をむく際とうもろこしのヒゲもすごく丁寧に取られているのはなぜですか?」

田口さん「ヒゲのように細いものだと、(この後の工程で)ブレンダーにかけてても細かくならないため、できる限りとうもろこしのヒゲは取り除き、口当たりのよいアイスクリームになるようにしています。」

とうもろこしの実をカットしていきます。とうもろこしの先から奥に向け包丁を入れ、大切に取り残さないようにカットされていたのが印象的でした。

次は、「とうもろこしミルク」アイスクリームの「ミルク」の部分の作業に入っていきます。HiO ICE CREAMのミルクアイスクリームのベースとなっている美瑛牛乳をパステライザー(*1)で温め、ベースの材料、生クリームと合わせていきます。ここでできたものをミルクベースと呼んでいます。

*1 アイスクリームのベースを作る機械

田口さん「ミルクベースにとうもろこしの芯を入れ煮出していきます。芯を入れることで、ミルクにとうもろこしの味が染み出していきます。とうもろこしの旨味と甘味をアイスに出すため、とうもろこしと合わせるベースのミルク自体にもとうもろこしの味をうつすと相乗効果でとうもろこしの味が強くなるんです。」

冷やして寝かせたミルクベース、とうもろこし、粉末水あめをブレンダーにかけていきます。とうもろこしを食べている感は残すけれど、あまり皮感が残らない絶妙な加減を見極めていらっしゃいました。

フリーザーにブレンダーにかけたものを入れると、数分後、とうとう「とうもろこしミルク」アイスクリームの完成です。ほんのり黄色いアイスクリームが出てきました。

「とうもろこしミルク」のお味は…?

出来上がった「とうもろこしミルク」を早速味見してみました。とうもろこしの優しい甘さが口の中に広がります。そして予想していた以上にミルクとの相性抜群です。クリーミーで甘すぎないとうもろこしの旨味と甘味を感じました。



田口さん「夏を感じる野菜と言えばとうもろこしだと思います。このとうもろこしの魅力である、弾けるような甘さと香りがそのままにアイスとして表現されているなと思いました。野菜のアイスというと苦手意識を持ってしまう方もいるかと思うのですが、冷製コーンポタージュのようなイメージでお召し上がりいただくと、スイーツとしての野菜の魅力を感じていただけるアイスだと思います。また、とうもろこしは栄養価が高い野菜なので、栄養のあるアイスとしての面白さもあるかと思います。アイスになることであらわれる、とうもろこしの新たな魅力をお楽しみいただけたらと思います。」

今回取材を通して、生産者の方からお送りいただいた一番美味しい状態のとうもろこしのおいしさをそのままぎゅっとアイスクリームに閉じ込めて、お客さまに一番いい状態でお届けしたいというパティシエのみなさんの姿勢に感動しました。その姿勢がひとつひとつの工程を丁寧さ、工夫に現れていました。

それでは、最後に自由が丘Atelierのメンバーにできたてとうもろこしアイスクリームの感想を聞きましたのでご紹介させてください。

上田さん「つぶつぶがあることでよりとうもろこしをを感じますし、ミルクともすごくあうなと思いました。とうもろこしのちょっと草っぽい感じの香りもしますし、ミルクがそこまで強くなくとうもろこしの味がしっかり出ていて、とてもいいと思います。つぶつぶ感が私すごく好きです。」

渡辺さん「野菜のアイスはあんまり得意ではないのですが、これはありだなって思います。受け入れられます。」

美澤さん「とうもろこしの味もしっかり出ているんですけど、皮のつぶつぶ感がしっかり残っているので、すごいとうもろこし食べているなという感じがします。コーンポタージュの缶詰の感じにすごく似ています。味はあそこまで濃くないですが、コーンのつぶつぶ具合がすごく似ている。それを思い出す味だなと思いました。」

田口さん「とうもろこしの芯も使っているし、蒸すときにとうもろこしの皮もついたまま蒸しているので、とうもろこしが持つ、ひとつの香りだけでなく色んな要素の香りが全てアイスに凝縮したような感じになったなと思いました。」

9月の定期宅配 Pint Clubでは、北海道江別市の宮川農園さんの「豊(ゆたか)とうきび」を使用した「とうもろこしミルク」フレーバーをお届けいたします。色んな工夫が積み重なり丁寧に作られたとうもろこしミルクアイスクリーム。美瑛ミルクのベースにとうもろこしの芯を入れて煮出すことで、ふわっとしたとうもろこしの香りと旨味を感じられ、またとうもろこしの実を加えることでちょうどいいつぶつぶ感も楽しめます。夏の恵みである旬のとうもろこしのおいしさをぎゅっと詰め込んだ「とうもろこしミルク」アイスクリーム、どうぞご賞味くださいませ。

2022年9月 Pint Club イロドリでお届けしています!

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3,240 [送料込]

毎月パイントカップ(473ml)を2つお届け。季節のフレーバーをお楽しみいただけます。

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