天草・苓北町の温暖な気候が生み出す、山下果樹園のあまくさ晩柑

2024.06.25

Farm to cup

Interviewee Profile

山下弘喜・裕太郎

Interviewee Profile

山下弘喜・裕太郎

株式会社山下果樹園

熊本県天草地方の海に面した町、苓北町であまくさ晩柑をはじめとした柑橘を栽培・加工されています。海が近く年間を通して温暖な気候の苓北町は、冬を越すあまくさ晩柑の栽培に適した環境で、また葉から液体肥料として黒酢をかけることで、あまくさ晩柑の酸味と甘味をそのままに、まろやかな風味を引き出しています。

こんにちは、HiO ICE CREAMです。
暑さが本格化する7月の定期宅配 Pint Clubでは、熊本県・天草の晩柑『あまくさ晩柑』を使ったシャーベットをお届けいたします。

和製グレープフルーツと呼ばれる『河内晩柑(読み:かわちばんかん)』と同じ品種ですが、熊本県・天草地方で栽培されたものを『あまくさ晩柑』と呼びます。

今回HiO ICE CREAMでは、天草の中でも海に近い苓北町(れいほくまち)にある山下果樹園さんからあまくさ晩柑を分けていただきました。そして、5月末にHiO ICE CREAMのメンバーが収穫期を迎えた山下果樹園さんを訪問し、あまくさ晩柑のおいしさの秘密について直接お話を聞いてきました。

海に面した苓北町だからこそできる、甘みの詰まったあまくさ晩柑

山下果樹園さんがある熊本県苓北町は、熊本空港から海沿いの道を車で2時間半ほど走ったところにあります。苓北町は天草の中でも海に囲まれた場所にあるため、あまくさ晩柑の栽培にとても適しており盛んに栽培されています。

5月下旬、自由が丘の工房に山下果樹園さんのもぎたてのあまくさ晩柑が届き、さっそくシャーベットを作りました。

以前も同じ品種の『河内晩柑』でシャーベットを作ったことがありましたが、出来上がったあまくさ晩柑のシャーベットは和製グレープフルーツのさわやかな香りと苦味もしっかり感じ、そして何よりグレープフルーツ特有の甘みを感じました。

*山下裕太郎さん

山下裕太郎さん:「天草の中でも気候の差がありますが、私たちの農園は海に面しているため冬も比較的温暖な気候です。晩柑は5月に花が咲いてから収穫までに10か月ほどかかり、冬を越す必要があります。

そして柑橘の栽培ではミネラルを含んだ風が追熟を促進するので、海が近く温暖な気候の苓北町は晩柑にとって適しており、酸味が少なく甘味がしっかり出たあまくさ晩柑になります。」

柑橘の中でも晩柑は、5月に花が咲いた後、小さい実をつけます。その後少しずつ大きくなりながら冬を越え、翌年の3月から6月に収穫を迎えます。そのため、6月頃にはまだ青い小さい実とオレンジに色づいた大きい実の2種類を見ることができます。私たちが伺った5月は、ちょうど両方の実を見ることができました。

柔らかな酸味を作り出す、肥料のこだわり

*写真:葉全体に液体肥料をかけているので、葉や実に白いあとがついています。

山下果樹園さんでは、液体肥料を木の上から葉にかける工夫をされています。葉から液体肥料を与えると、あまくさ晩柑の味にどう影響するのでしょうか?

山下弘喜さん「木全体に液体肥料をかける方法は、行っている農家さんも多いやり方ですが、その肥料の内容で味が大きく変わってきます。

木酢(木材を乾留して作った液体肥料)や魚のエキスをかける育て方もありますが、私たちの農園では黒酢を使っています。

毎年味を良くするために試行錯誤しており、様々な農家さんと情報交換しています。そんな中出会った黒酢をかける育て方を試してみると、あまくさ晩柑の味がよりまろやかになるのです。酸味もあるし、風味も、甘味もしっかりあるのにまろやかになる。これが私たちのあまくさ晩柑の特徴になり、かれこれ10年弱続けています。」

*写真:山下弘喜さん

ー 試行錯誤の結果、現在の山下農園さんの甘味と酸味のバランスの良い、まろやかなあまくさ晩柑が出来上がっているんですね。

山下裕太郎さん「はい、晩柑は作り手によって味が全く異なるといわれています。私たちは酸味がまろやかに、そして甘味が感じるよう工夫しています。」

天候不順にも負けない、柑橘の加工にも取り組む

東京ドームほどの面積がある広い農園をお持ちの山下果樹園さんですが、実は収穫した柑橘を加工したジャムやソースがとても人気で売上の半分以上を占めています。

山下弘喜さん「約20年前から温暖化や天候不順で雨が降ったり、降らなかったりと柑橘に影響が出てしまうことがありました。そして天草にもイノシシなどが出てくるようになり、栽培に厳しい状況下で、柑橘栽培だけで経営するのは難しいと考え、取り組み始めたのが柑橘の加工でした。

現在は天草の他の農家さんから柑橘を集め、加工しています。ほかの地方でも言われていることですが、天草地方は人口が少なくなってきています。 柑橘を使った加工食品を作り、販売することで、地域の方や関係者すべてが幸せになれる会社を作ろう、地域社会に貢献できるような会社になろうと日々仕事をしています。」

おいしいあまくさ晩柑の食べ方

もしも、旬のあまくさ晩柑が手に入ったら、どのように食べたら良いでしょうか?

山下裕太郎さん:「あまくさ晩柑は、黄色い外側の皮を剥いた後、薄皮の状態で冷蔵庫で2時間くらい冷やして食べるのがおすすめです。冷やすことで薄皮が少し乾燥しパリパリしてきて、剥きやすくなります。そしてしっかり冷えているのでおいしく召し上がっていただけます。」

貴重なお話をありがとうございました。今回Pint Clubでお届けする『あまくさ晩柑』シャーベットは、山下果樹園さんが手塩にかけたあまくさ晩柑を果肉と果汁だけでなく、削った皮を入れシトラスのさわやかな香りも閉じ込めました。

お手元に届いた際は、熊本・天草のあたたかく優しい風と青い海を思い浮かべてお召し上がりください。

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