こんにちは、HiO ICE CREAMの西尾です。
昨年も8月、9月は旬のぶどうのシャーベットをいくつか出していましたが、今年もぶどうがおいしい季節がやってきました。
今年も、甲斐のぶどう屋 丸山農園さんに摘み立てのぶどうを分けていただき、定期宅配『Pint Club』や自由が丘の工房併設のスクープショップ、そして9月1日からはナチュラルローソンでも「巨峰シャーベット」を数量限定で販売しております。
昨年好評いただいた巨峰・シャインマスカットのシャーベットの他にも、「クイーンニーナシャーベット」とシャインマスカットで作ったレーズンを使用した「シャインマスカットラムレーズン」にチャレンジいたします。
たくさんのぶどうが代わる代わるに登場しますので、甲斐のぶどう屋 丸山農園の丸山 桂佑さんに、今年のぶどうについてビデオ通話で伺いました。
※写真の左・西尾 右・丸山さん
長雨に負けずに育った2020年のぶどう
ー 8月に定期宅配『Pint Club』や自由が丘の店頭で巨峰シャーベットを開始したのですが、昨年お召し上がりくださった方から、去年とはまた違った味になっていると感想をいただいています!
昨年の巨峰シャーベットは、丸山農園の特徴である糖度の高さがシャーベットになっても出ていたけれけど、今年は敢えて少し早熟の状態で分けてもらったので、巨峰の特徴である酸味や皮のほろ苦さも出て、よりフレッシュさを感じるシャーベットになったと思います。
今年は梅雨も長かったのですが、ぶどうにはどんな影響が出てますか?
丸山さん「今年はとにかく雨が多く、日照不足と長雨の影響で病気にかかってしまうぶどうもありました。僕の農園でいうと、収穫できるぶどうが昨年比で20%ほど減ってます。」
※写真 徐々に色づく巨峰(7月中旬ごろ)
丸山さん
「日照時間も味に影響がでるのですが、ぶどうにとって何よりも雨が大敵。ぶどうが雨に濡れる回数を最低限にすることが病気の予防なので、例年より早い時期に1つ1つのぶどうの房に白い傘を着けました。
収穫量が大幅に減ってしまった農家さんの話も聞きますが、僕のところは早め早めに対策をとったおかげで、収穫量を20%減までに抑えられました。」
ー 収穫量が減っているんだと、今年のぶどうは希少性が高いですね。今年は巨峰以外にも分けていただきますが、丸山農園さんでは何種類のぶどうを育てていますか?
丸山さん
「今育てているのが8種類で、巨峰やシャインマスカット、ピオーネ等を作っています。メインで栽培するのはシャインマスカットで全体の60%ほど作り、他の品種はちょっとずつ栽培しています。」
次のシャインマスカット!?新しいぶどう『クイーンニーナ』
ー 今年は新しい品種、クイーンニーナを分けていただくのですが、クイーンニーナってどんなぶどうなんですか?
丸山さん
「クイーンニーナは、僕からするとぶどうの中で1番おいしい品種です!笑
今シャインマスカットが人気のある品種なんですが、次のシャインマスカットになるポテンシャルを秘めた品種です!」
※写真:丸山農園のクイーンニーナ。
丸山さん
「クイーンニーナは皮が赤っぽい紫色の品種なのですが、栽培に手間がかかり、難しいため希少価値が高いんです。特に、1粒1粒を綺麗な赤に色付けるのが難しく、1本の木から収穫できる房の数を減らし、透明な傘をつけ、畑にシルバーのシートを引き日光を照り返し、房の1粒1粒に日光が当たるように手入れをする。細かい調整と手間をかけないと、おいしいものができません。」
ー かなり手がかかるから、栽培する人を選びそうですね。
丸山さん
「手間がかかるけど、とてもおいしいんですよ。ぶどうには珍しく、青りんごのような爽やかな香りがします。ピオーネや巨峰よりもずっと糖度が高く、ジューシーな味なのですが、果肉が硬いから歯ごたえもあるんです。
今年は9月初旬にシャインマスカットを収穫する予定で、ほぼ同時か少し後にクイーンニーナが収穫になると思います。」
ー それはとても楽しみです。クイーンニーナは、まずはAtelier 自由が丘のスクープで提供しようと思ってます。夏の巨峰から始まって、シャインマスカット、クイーンニーナと、工房に通ってくださっている方からすると、丸山さんのぶどうがシーズンごとに味わえる。
丸山さん
「巨峰のあとシャインマスカットとクイーンニーナと旬の移り変わりを楽しんでもらえると嬉しいです!」
シャインマスカットで贅沢なレーズンを作る
ー 新たな取り組みとして、シャインマスカットでレーズンを作るとか。あまりシャインマスカットのレーズンは見たことがないのですが、きっかけは?
丸山さん
「去年セミドライにする機械を借りて、試しに作ってみたらおいしかったので今年はまず加工用として製造を始めます。
実は今年から選果場(近隣の畑で採れたぶどうを集めてパッキングする)を始めたのですが、高価なシャインマスカットでもパッキング中にポロっと房から外れてしまう粒があります。いわゆるロスですが、房から外れただけで品質は変わりません。それでは勿体ないし、味もおいしいので、これなら高価なシャインマスカットでもレーズンにできると始めました。」
※写真:丸山さんのTwitter(@kesuke_agbell)より選果場の様子。
ー なるほど、高価だからそのままレーズンにすると単価が高くなっちゃいますが、本当ならロスになっていたものを活用することで単価も抑えられるんですね!
丸山さん
「色は退色するので茶色っぽく、味がおいしいのはもちろんなのですが、シャインマスカットは大粒なので完全にドライにならず、少し中が柔らかい。これがシャインマスカットで作るレーズンの面白さかもしれません。」
ー 大粒のシャインマスカットだからこそできるレーズンですね。僕たちは、このシャインマスカットのレーズンを使って、冬のアイスクリームの定番『ラムレーズン』を作ってみようと思ってます。ラム酒もシャインマスカットのレーズンの味にあわせて選ぼうかと。考えるだけでもおいしそうです。
丸山さん
「もともとはフードロスになってしまうような物をおいしく加工して楽しんでもらえるのはとても嬉しいことです。もともと単価が高いため、なかなかアイスクリームなどに使う加工用にはなりにくかったのですが、選果場のロスを使うことでそこもクリアできました。とてもいい取り組みになったと思います!」
写真:シャインマスカットと、セミドライにしたシャインマスカット。大粒なのでセミドライでもジューシー。
ー ちなみに、レーズンへの加工にも時間がかかったり、手間が掛かったりしないんですか?
丸山さん
「実はものすごく手間がかかるんです。笑
工程はとてもシンプル。シャインマスカットの粒を綺麗に洗って、水分をとって、トレーに敷き詰め、トレーごとセミドライの機械に入れて乾かしていく。単純に聞こえるのですが、乾かすのに半日かかり、かつ1度にセミドライにできる量が少ないので時間がかかります。手間と時間を掛けて出来上がったレーズンです。」
ー ロスとはいえ、ただ房からとれてしまっただけでおいしさは変わらない粒で、時間を掛けて作っているから、いいものに間違いないですね。
丸山さん
「はい、まず今年は業務用としてHiO ICE CREAMなどで使ってもらって、来年からは家庭用にも販売しようと思ってます。今年はアイスクリームで楽しんでもらえればと思います!」
おいしいぶどうを作るだけでなく、新しい品種の栽培に早くから取り組み、また地域の農家を巻き込み選果場を始められた丸山さん。ぶどうの名産地から、農業を変えていこうと日々取り組まれていらっしゃいます。
そんな丸山さんが手塩にかけた宝石のようなぶどうを使ったアイスクリームは、Atelier 自由が丘のスクープショップや定期宅配『Pint Club』、そしてナチュラルローソンなどで順次ご提供いたします。
・巨峰シャーベット
8月のPint Club・8月の店頭でご提供。
9月1日よりナチュラルローソンにて数量限定で販売。
・シャインマスカットシャーベット
9月初旬~中旬にAtelier自由が丘のスクープショップ
・クイーンニーナシャーベット
9月初旬~中旬にAtelier自由が丘のスクープショップ
・シャインマスカットのレーズンで作るラムレーズン
11月以降(予定)に定期宅配『Pint Club』・Atelier 自由が丘のスクープショップ
※詳しいご提供については、決まり次第HiO ICE CREAMのSNSでご案内してまいります。
Instagram / Twitter @hioicecream
今しか食べられない丸山さんのぶどうで作るアイスクリームをぜひご堪能ください。