アイスクリームのベースの牛乳、美瑛で出会った軽やかで濃い牛乳

2019.04.17

シングルオリジンミルク / Farm to cup

Interviewee Profile

代表取締役 浦 薫

Interviewee Profile

代表取締役 浦 薫

株式会社ベイリッチランドファーム

北海道にある美瑛町にて牧場を経営。ホルスタイン種を中心に約400頭を飼育。牛が伸び伸びと暮らすことが美味しい牛乳づくりと考え、牛に負担のかからないAI搾乳機を導入するなど積極的にITを活用されています。

HiO ICE CREAMを運営する株式会社HiOLI 代表の西尾です。
“HiO”は、太陽のように日々の暮らしをやわらかく照らし、笑顔の間にある存在でありたいという想いを込め、お陽様の「陽」とご縁の「輪」から名付けました。
本日は、わたしたちのアイスクリームのベースとなっている牛乳についてご紹介させて頂きたいと思います。

軽やかで濃い牛乳をもとめて

僕が新しいアイスクリームのカタチを考えてみたいなと思い始めたのは昨年の7月。
口の中でとけるような食感のアイスクリームを作りたい、という大きなテーマだけを携え、その時に探していた牛乳が『軽やかなのに濃い牛乳』。
一般的に濃厚な牛乳は口の中でまったりと幕が張ってしまうような感覚になるのですが、口どけの良さを高めるには牛乳で飲んだ時にもすっきりとした後味になることが必要だと考え、北海道を中心に日本全国の酪農家さんを40ヵ所以上訪問させてもらいました。その中で出会った牛乳が美瑛の牛乳でした。
美瑛町の酪農家の協力体制のもと単一農協限定で作られているシングルオリジン牛乳(※1) となります。

※1 シングルオリジン牛乳とは、国や都道府県単位ではなくより細分化された地域・酪農家だけで作られた生産量に限りがある牛乳を指しています。

美瑛は、北海道第二位都市である旭川から車で30分ほど離れた、ちょうど北海道のど真ん中のあたり、大雪山のふもとに位置し、澄んだ空気ときれいな水に溢れ、パッチワークのような美しい丘が全国的にも有名です。
雪が降り積もる2月下旬。牛乳づくりへのこだわりを改めて聞いてみたく、僕は酪農家の浦さんのところお伺いしてきました。

浦さんの牧場

浦薫さんが代表を務めるベイリッチランドファームは、総飼育頭数約400頭、年間出荷乳量2000トンを超える大型の牧場です。浦さんで4代目。初代~2代目は水田や馬なども育てていたそうですが、浦さんのお父様の代から酪農一本で営んでこられたそうです。今から約10年前にお父様から経営を引き継がれ、3年ほど前からはAIを活用したロボット搾乳機を擁する新牛舎を設立されるなど、先進的な経営をされています。

酪農家の朝はとても早く、朝4時30分には起床し、牛舎の掃除、餌やり、ベットメイク、子牛の哺乳…加えて夏場は餌となる牧草の収穫など様々な仕事を対応していく必要があります。生きている牛を相手にしている以上、牛舎の活動自体は年中無休で、浦さんの牧場では、浦さん夫婦の他に海外からの研修生が3名働かれています。

軽やかで濃い牛乳ができる理由

浦さんに、なぜ軽やかで濃い牛乳ができるのかを率直に質問をしてみました。
「直接的にこれです、という理由はわからないのですが…牛が健康であることが大切だと考えています。

牛が健康でいるためには、良い食生活ができていることとストレスが低い環境であることが大切です。食生活で言えば、美瑛はトウモロコシが良くとれる地域ということもあり、サイレージ(※2) の中にトウモロコシの子実や包皮を刻んで混ぜたイアコーンサイレージという栄養価の高い餌を食べさせています。

※2 青刈りした飼料作物をサイロに詰め、乳酸発酵させたエサのこと

また、水槽の衛生環境には綿密にケアをしており、常にきれいなお水を飲めるよう常に頻度高く掃除をするように心がけています。牛は1日あたり150L近く水を飲み、50~60kgの餌を食べることで、30~40kgの乳量を作ることができます。餌と水は非常に大切であると考えています。
また、牛のストレスを軽減させるための手段として、ロボット搾乳機は非常に活躍してくれています。牛1体ごとの毎日の搾乳量を管理してくれるのはもちろんのこと、餌をどれぐらい食べているのかなどの体調管理もできます。

これまでの一般的な搾乳は、牛をゲージに並べて1日2回一斉に行っていましたが、この搾乳ロボットは牛が絞ってほしくなったタイミングでロボットのゲージに入ってきてもらうスタイルです。牛が搾ってほしいと思うタイミングで搾ってあげられますし、その他の時間では牛が寝る・餌を食べるなど過ごしたいように過ごせるためストレス軽減に繋がっていると思います。
また、搾乳ロボット以外にも牛舎の清掃を自動で行うスクレーパーなど機械化が急速に進んだおかげで、世話をする人間は調子が悪くなった牛のケアやベットメイクなど機械化できない仕事に集中できるようになり、さらに牛のストレス軽減にも活かせているものと考えています。

浦さんからのメッセージ

別れ際、浦さんはHiO ICE CREAMの取り組みについてこんなことを話してくださいました。
「生産者は、毎日牛と向き合って美味しい牛乳を作ることばかり考えているので、その牛乳がどう使われるのか、誰が飲んでくださっているのか、までは正直なところわからないんですよね。なので、西尾さんがこうやって来てくれたことで、自分たちの牛乳がアイスクリームになるんだなという実感が持てましたし、もっと美味しい牛乳を作りたいと改めて思いました。あと、自分は父親の姿を見て小さな頃から酪農家になることが夢でした。なので、西尾さんが夢を追いかけてアイスクリーム作りを頑張っている姿は、とてもいいなと思います。応援しています!」

実は、お話しを伺っている最中にちょうど牛が出産するとの連絡が入り、僕も一緒に牛舎に向かいました。
浦さん夫婦が助産すること約20分。元気な仔牛が生まれてきました。

「牛乳って本当はこの子(仔牛)たちのための栄養なんですよね。だから人間が牛乳をもらうってとてもありがたいことなんです」助産の片づけをしながら、浦さんが僕におっしゃいました。
その裏には、『西尾くん、大切に育てたこの牛乳から美味しいアイスクリーム作ってね、よろしく!』という熱いメッセージが隠されているような気がしました。

これからも、生産者の想いやこだわりを大切にした”ものづくり”を目指してまいります。

甘さと酸味のバランスが取れたイチゴを追い求めて、北海道の弟子屈町へ

2019.04.22

HiO ICE CREAM の西尾です。 4月に入り桜満開だなと思ったらあっとい間に暖かくなってき…